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株式会社 西海養殖技研  
Saikai Laboratory of Aquaculture and Technology Co.,Ltd

付着物対策

弊社は、オリジナルの海棲生物付着防止剤を使用して、付着生物の付着嗜好を阻害する環境を人為的に作出コントロールする事で、

中間育成時等の沖出し飼育容器内の生産物へのフジツボやイガイなどの付着を高い確率で防御可能な技術を構築しています。



「化学的防御」 ー 従来型(化学的忌避物質) 


     忌避剤として銅化合物有機錫化合物などのような重金属化合物を使用する方法

          ☆食用貝類養殖には従来の防網剤である防汚染料を含め、特に重金属化合物に対する耐性が低く、畜毒性もある関係から

                           養殖網籠への使用は不可能であった。

       ○有機スズ化合物(TBTO) 

                  ☆2008全面使用禁止 96時間で半数致死濃度 1.1-25.9μg/L 
        
         ☆生態系に悪影響(1997年問題化、内分泌攪乱物質=環境ホルモンがイボニシガイ♀ホモ化。)

       ○亜酸化銅 現在主流        

                  ☆ビス-2-ビリジオンチール銅塩、カッパー系塗料は特に貝類には有害。

                   ☆フジツボに有効 *電蝕問題(鉄・アルミなど金属には使用不可)
     
       ○酸化亜鉛 少数派     

                   ☆藻類に有効 フジツボには無効 用途:FRP・木など
      


「物理的防御」 @ ー 従来型(付着期幼生の透過防御)


    付着期にあるフジツボ幼生より小さな目合の不織布を使用して、船底などの付着基盤を覆うことで、幼生の付着基盤へ到達を阻害

    する事で付着を阻害防御する方法。 (既存の不織布防汚技術 特開2000-287602 2001-128612)

        付着期にあるフジツボ浮遊幼生より小さな目合の不織布を使用、フジツボ浮遊幼生の付着基盤への直接接触を阻害する事で船

        底などへのフジツボ付着を防御する。不織布自体に付着物を付着させる一種の透水性のある船底カバー。  

           
         フジツボキプリス幼生       フジツボ浮遊幼生より小さな孔径の不織布      (船底防汚装置)


「物理的防御」 A ー 撥水効果等の物性 (付着防御)

    シリコーン系防汚塗料を付着基盤へ直接塗布して、水性等の物性により付着生物が付着基盤へ付着する事を防御する方法

    ○シリコン 今後の主流となる見込み ☆施工法に課題が残る。初期付着までの期間は短い。

           

                          素焼きタイルへ防汚塗料を1/2部分塗布後30日垂下した状態                 60日垂下後の水洗後の比較    

       

               60日垂下後の比較                        防汚処理区 (垂下60日)                      無処理区(垂下60日)




「付着嗜好」

  
     付着生物の付着要因である「付着流速」と「基質表面」

     @ 「付着流速」

       付着時期にあるフジツボ浮遊幼生が付着基盤に付着する際、好適付着流速が存在する。

     A 「基質表面」

       フジツボ、イガイ、カサネカンザシ等の蛋白質由来の生物は付着基質表面の微生物フィルム形成が要件となる。

     B 「基質形状」

         粘着ホヤ、複合ホヤ等は平滑性を好む付着嗜好が認められる。




「生物的防御」  付着に選択性の有る生物の付着嗜好を利用)

    @ シリコーン系防汚塗料を付着基盤へ直接塗布、シリコンの撥水効果で付着基盤への微生物フィルムの形成を阻害、付着期に

      あるフジツボ浮遊幼生等の付着基盤選択嗜好を活用して幼生が付着基盤へ付着することを阻害防御する方法。


    A シリコーン系防汚塗料で防汚処理した極小目合網篭へ収納する事で、容器内の好適付着流速を人為的に阻害し生産物への

      付着を防御する方法。

   

防汚加工をしていない網篭を使用しての育成結果 (生産物であるアコヤ稚貝へのフジツボの付着が多い)

   

防汚加工をした網篭を使用しての飼育結果(生産物であるアコヤ稚貝へのフジツボの付着は認められない)

実施例(外殻が薄く物理除去困難な中間育成時の稚貝)拡大



「収容器への付着防止」  直接防御


    ☆ 直接防汚効果を得る為の素材としては、公知の材料の中から適宜選択して使用する事が出来るが、使用するシリコーン系付着

      防止剤との結合性により、特にポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン等のポリアミド、

      ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ABS、塩化ビニル及び塩化ビニリデン等の高分子化合物が望ましい。

                    

    ☆ 使用する防汚塗料は貝類の育成に害を与える薬剤を含まないシリコーン系またはフッ素系の防汚塗料(特開平3-20370)

       が好ましい。

       上塗り塗装としてシリコーン塗料を、下塗り塗装としてアクリル塗装を用い、ドブ付け法等の公知の方法によって行う。 



「生産物への付着防止」   間接防御


    ☆ 特開平3-20370のような「シリコーン系海洋生物付着物防止剤」の使用の問題点

問題点

     @ 殻体への直接塗布は乾燥時間が限られキシレン等溶剤の揮発不足による残留から食用貝への直接使用は困難であった。

     A 乾燥時間の制限から、十分な塗膜の接着強度が得られないため、殻体への直接塗膜の形成は困難であった。

解決策

       溶剤の残留と十分な塗膜の接着強度を得る事を解決する手段として、事前に防汚効果を持たせた素材を貝へ密着使用する貝

       への「間接防御方法」を考案した。

         (直接防汚剤を塗布できない付着基盤を、防汚処理したシート様の養殖器具で包み海棲付着物から防御する方法)

                               

                     疎密な防汚不織布            防汚目標を接触被覆           付着物忌避効果

効果

     @ 付着時期にあるフジツボ浮遊幼生が付着基盤に付着する際の物理的要件である「好適付着流速を人為的に付着阻害」

     A タンパク質由来の生物的選択要件である付着基盤の「微生物フィルム形成を人為的に付着を阻害」

     B 平滑面への付着を好む粘着ホヤ、複合ホヤ等の生物的付着嗜好から、「粗密な形状を人為的に形成して付着を阻害」

実施例


          

          

タイラギ 有鱗型(Atrina pectinata)

          

アコヤガイ(Pinctadafucata martensii)


     *2008.09.04「海洋生物の付着防御器具」特願2008-227300 (独)水産研究センターと共同出願 詳細は特許情報へ



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シリコ-ン使用の物理的海棲生物付着防止剤


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2010/3/10

社員日記